6月26日06:47:27
14.8 静態論と動態論
父 良い資金バランスを次期に繰越すことは継続企業として生きていくためには当然のことなんだ。余談になるが、公認会計士は被監査企業が継続企業として生きていけるかどうかについてコメントしなければならない。この要求に応えることができるのは、資金会計をおいてないと思う。
緑 企業の継続性について公認会計士が自信をもって言えることは大きな福音ね。
父 考えてみよう、粉飾で膨らんだ棚卸資産や売上債権が繰越されても、資金繰りの役にはたたず、雪だるま式に資金状態は悪化する。
白蓮に白雲湧きて流れ行く
6月25日07:44:15
14.1 静態論と動態論
父 佐藤先生は「資金会計は継続企業を前提としている」とよく言われていた。このことは換言すれば、資金会計は動態論だよということだ。動態論は解散を前提としていない。累積利益=Cash の実証は動態論が会計期間を捨象して一航海一企業なら 累積利益=Cash となる。
そこで佐藤先生の継続企業において「損益資金が現金として残こればいいんだ」と言われたことを私流に敷衍すると「今解散すると仮定して損益資金がそっくり現金として残るような資金バランスの良い貸借対照表を次期に繰越したいものだ」となるんだ。
浴衣着や着崩れまでの肩の線
6月22日07:14:22
6月21日08:43:17
14.6 静態論と動態論
父 まず緑の質問に答えよう。GE社の2003年資金別貸借対照表を開いてごらん。棚卸資産が8,555あるね、これが無価値だったと仮定すると、現金化される金額は8,555だけ減るね。しかしその損失のため損益資金(累積利益)も同額減るので、累積利益=Cash の等式は守られることになる。
緑 結果論として等式は守られたが、当初の決算結果である損益資金額の現金化は達成できなかったことになるのじゃない?
父 いい指摘だ。そこでパパがキョトンとした佐藤先生の言葉が生きてくる。
紫蘇洗ふ昭和も遠くなりにけり
6月20日06:55:32
14.1 静態論と動態論
緑 簿価で現金化できれば 累積利益=Cash であることは解りました。簿価で現金化できない場合はどうなるの?パパ。
父 緑、それは大変よい質問だ。資金会計理論の創始者、佐藤幸利先生(1947~2003)は10年以上も前によく「損益資金が現金として残こればいいんだ」と言われていた。その話を聞いたとき正直パパは鳩が豆鉄砲をくらった感じがした。緑の質問はそのことと関連してくる。
緑 パパは佐藤先生の片言隻句にいつもキョトンとするのね。
まなぶたに山形はありさくらんぼ
6月19日07:12:25
14.1 静態論と動態論
緑 なんだかぞくぞくしてきたわ。GE社の創業から2003年末までをを一航海一企業とみるのね。
父 資金会計は動態論だから、それができるんだ。まず簿価で資産が現金化できると仮定しよう。固定資金運用計129,633+売上債権計6,540+流動資金運用計24,597=160,770の現金化が実現した筈だ。次に債務返済をする。長期借入金26,837+買掛債務8,753+短期借入金他19,911=55,501、そして払込資本金19,245を払戻す。即ち、入金計160,770-債務計55,501-資本金払戻額19,245=86,024が資産を処分し、負債資本を整理した結果,残ったCashだ。残ったCash86,024+手元のCash1,670=$87,694milとなり2百何年間の累積利益である損益資金額$87,694milと等しくなる。
空梅雨や時間給水ありしこと
6月18日08:01:26
14.1 静態論と動態論
父 動態論が理論として成り立つ所以は、100年後の創立記念日に当社は解散するという規定が定款にあって、定款の通り解散したならば、100年間の利益はCashと等しくなるということである。
緑 壮大な話ね、パパ。
父 http://www7a.biglobe.ne.jp/~eokui/ をクッリクしGE社の資金別貸借対照表を見てごらん。GE社は何年か前に創業2百年祭を祝ったので、2003年の資金別貸借対照表は創業2百何年かになる。それはさて置き、2003年末に解散したら、2003年までの累積利益がその間のCash増加額と一致するか検証してみよう。
梅雨雲に入り空梅雨の羽田着
6月15日09:03:48
14.1 静態論と動態論
父 またヴェニスの商人の話に戻ろう。一航海を終わって船のチャーター料を支払い積荷残を売りさばき、すべてを清算したところで出資者は現金を分ける、儲け=増えたCash、と明快な決算は終了する。
緑 一航海一企業(one voyage, one enterprise)ね。
父 そう。企業が永遠の生命をもつようになって、期間利益確定の必要が生じ、儲けがCash増加額と等しくならなくなり、儲けの認識が複雑となった。
緑 そこにステイクホルダー達の葛藤も起きたのね。
梅雨雲に入り梅雨雲のなき着地
6月14日10:08:27
14.1 静態論と動態論
父 この論議は貸借対照表を静態的に見るか、動態的に見るかの話だが、動態論が起こって以前の見方を静態論と言ったようだ。
緑 静態論は債権者保護に足場を置く当時の商法的な考え方なんでしょう。
父 そうだ。債権者を守るため、資産は時価でたな卸しをしながら積み上げられた。すなわち財産目録が幅を利かせていた時代だ。
緑 今も色んなところに財産目録は残っているわね。
更新続く五月雨の車窓幕
6月11日18:17:35
14 静態論と動態論
父 貸借対照表の見方に静態論と動態論がある。この論議は解決済のせいか、近頃あまり論議を聞かない。
緑 シュマーレンバッハの話?パパ
父 シュマーレンバッハ(1873-1955)とは懐かしいね。彼の最後のころパパは公認会計士になる勉強をしてたので、彼の名を聞かない日はないくらいだった。静態論と動態論は資金会計にとっても核心に触れる問題なので、ゆっくりと話そう。
凛とせる涼しさ達にもてなされ